製パン職人歴35年|「生地の声が聞こえる」経験をAIと組み合わせて月2〜4万円の副収入を目指す方法
58歳、製パン職人歴35年。発酵の見極めや焼き加減の勘は、AIには真似できない判断力です。現場で培った「五感の技術」をAIで言語化し、月2〜4万円の副収入を目指す具体的な方法をIT初心者向けに解説します。
2026年2月8日

2026-02-10
35年の経験を持つ製パン職人の新たな挑戦:AI時代の副収入戦略
製パン職人として長年働いてきた方が、体力の衰えや現場の変化を感じながらも、「自分にはパンを焼くことしかできない」と思い込んでいるケースは少なくありません。
今回のペルソナ例として想定するのは、こんな方です。
藤田さん(仮名)、58歳。高卒で地元のパン屋に就職し、製パン職人として35年。生地の発酵具合は手触りと匂いで判断でき、窯の温度変化も体感でわかる。しかしパソコンはレシピ検索くらいしか使ったことがなく、スマホもLINEと電話が中心。最近は腰痛がひどくなり、早朝からの仕込み作業が辛くなってきた。
この藤田さんのような経験を持つ方にとって、課題は明確です。体力勝負の現場はいつまでも続けられない。しかし35年間で培った「パンの技術」は、現場を離れた瞬間にお金にならなくなるのではないか ── という不安です。

さらに製パン業界には、もうひとつ切実な問題があります。効率化の波が押し寄せ、職人技を発揮できる場面が減っていることです。セントラルキッチン方式(工場で一括して生地を作り、各店舗に配送する仕組み)の普及により、冷凍生地を解凍して焼くだけの店舗が増え、「一から仕込みができる職人」の居場所が狭くなっています。
しかし、この状況はAI時代において逆にチャンスになり得ます。なぜなら、現在のAI技術が最も苦手とするのが「五感に基づく判断」だからです。
パン職人が直面する副業の壁:パン教室、レシピ本、コンサルティングの現実
製パン職人が現場以外で収入を得ようとする場合、一般的には以下のような方法が考えられます。
パン教室の開業がまず挙がりますが、集客、場所の確保、材料費の立替、SNSでの宣伝など、本業とは別のスキルが多数必要になります。ITに不慣れな方にとっては、教室の運営そのものよりも集客の壁が高くなりがちです。
レシピ本の出版やYouTubeでの発信も選択肢としてはありますが、競合が非常に多く、プロのカメラマンや編集者を使った見栄えの良いコンテンツと戦うことになります。職人としての腕は確かでも、「見せ方」の部分で若い世代に負けてしまうケースが多いのが現実です。
コンサルティングはハードルが高く、「自分のような職人が人に教える立場になれるのか」という心理的な壁が立ちはだかります。
いずれの方法も、「ITスキル」「マーケティング力」「自己プロデュース力」のどれかが前提条件になっているのが問題です。
AI時代における熟練パン職人の価値:五感と経験をAIで活かす新しい働き方
ここで重要なのは、発想の転換です。
製パン職人の35年の経験とは、単に「パンが焼ける」ということではありません。それは「五感で品質を判断できる能力」の集大成です。
具体的に言えば、以下のような判断を日常的に行っているはずです。
- 生地を触った瞬間に「今日は湿度が高いから水を減らすべき」とわかる
- 発酵中の生地の匂いで「あと10分」か「もう5分オーバー」かを判断できる
- 焼き上がりの色と音で、中心温度を測らなくても焼成状態がわかる
- 季節や天候による小麦粉の水分含有量の変化を、配合を見なくても調整できる
これらはすべて、現在のAI技術では再現できない判断です。 AIは温度や湿度のデータからパターンを見つけることは得意ですが、「手触りの微妙な違い」や「匂いの変化」からリアルタイムで判断を下すことはできません。
そしてこの能力は、AIがさらに進化した時代になっても、当面は価値が残る側の能力です。
なぜなら、AIが進化すればするほど、「AIが出した結果が正しいかどうかを判断できる人間」の価値が上がるからです。他の業界でも同じことが起きています。たとえば経理の世界では、帳簿上は問題なくても、入出金のタイミングや数字の粒度を見て「この案件は後でトラブルになる」と直感的にわかるのは、長年の経験を持つ人間だけです。
製パン職人の場合も同様で、AIが「この配合で理論上は最適です」と出した結果に対して、「いや、この季節のこの小麦粉だと、もう少し水を控えないとベタつく」と指摘できるのは、現場を知る職人だけです。
つまり、AIを「道具」として使いながら、自分の経験を「検品者」「監督者」として活かすポジションが、おとな世代にとって最も自然で持続可能な立ち位置になります。

この立ち位置を確保するために必要なのは、プログラミングでも最新AIツールの習熟でもありません。「自分が無意識にやっている判断を、言葉にする力」です。そしてその言語化作業こそ、AIが最も得意とするサポート領域なのです。
なお、これは「AIを使えば誰でも職人になれる」という話ではありません。中身となる経験を持っている人が、その経験を言葉にするための補助としてAIを使うという順番が重要です。AIエージェント(AIが自律的にタスクをこなす仕組み)やAGI(人間と同等の判断ができる汎用AI)が普及しても、プラットフォーム上で収入を得るためには、「AIに的確な指示を出せる側の人間」であり続けることが必須になります。35年の現場経験は、まさにその「的確な指示」の源泉です。
35年の経験を活かした副収入への道:AIを活用したデジタル商品作成と販売戦略
藤田さんのような製パン職人歴35年の経験を活かす場合、以下のようなステップで副収入を目指すことが考えられます。もちろん、これはモデルケースであり、誰でも必ずこの通りに稼げるという話ではありません。しかし、正しい手順を踏めば十分に現実的な目標です。
ステップ1:「職人の勘」を言語化する
最初にやるべきことは、自分が日常的に行っている判断を、AIとの対話を通じて言葉に変換する作業です。
たとえば、AIチャット(ChatGPTやClaudeなど)に対して、こんなふうに話しかけます。
「私は製パン職人を35年やっています。食パンの生地をこねているとき、手に吸い付くような感触から、少しサラッとした感触に変わる瞬間があります。この変化が起きたら、こね上がりのサインです。これを、パン作り初心者にもわかるように説明してください。」
すると、AIはその感覚的な表現を初心者にも伝わる平易な言葉に変換してくれます。職人にとっては「当たり前すぎて説明するまでもないこと」が、実は他の人にとっては非常に価値のある情報だということに気づく瞬間です。
ステップ2:小さなデジタル商品を作る
言語化できた内容を、PDFやチェックリストの形にまとめて販売するのが最初の収益化ステップとして現実的です。
藤田さんのような経験があれば、以下のようなデジタル商品が想定できます。
- 「製パン失敗事例集」 ── 35年間で見てきた失敗パターンと、その原因・対処法をまとめたもの。「パン作り 失敗」で検索する人は非常に多く、需要が安定しているジャンルです。
- 「季節別・生地調整チェックリスト」 ── 春夏秋冬で変わる水分量・発酵時間・室温管理のポイントを、チェックリスト形式でまとめたもの。家庭でパンを焼く人にとって、プロの「季節感覚」は非常に求められている情報です。
- 「パン屋開業前に知っておくべき現場のリアル」 ── 開業希望者向けに、レシピ本には載っていない「現場の落とし穴」をまとめたもの。原材料の選び方、業務用オーブンの癖、仕込みの時間配分など。
これらの商品は、1点500〜1,500円程度で販売することが想定できます。月に20〜40点売れれば、月2〜4万円の副収入が見込める計算です。
ステップ3:販売の仕組みを最小限で構築する
販売先としては、note(ノート)やココナラが、IT初心者にとって最もハードルが低い選択肢です。
ここまでで、あなたの経験がどのように商品になるかのイメージはつかめたのではないでしょうか。ここから先は「明日から手を動かせる具体的な手順」に入ります。
- IT音痴でも迷わない、noteとココナラの選び方と出品の流れ
- 「なんて命令すればいいかわからない」を解決する、AIへの指示の出し方
- 最初の1円を稼ぐために、最初のひと月にやるべきことリスト
35年の職人技を、これ以上「タダ」で眠らせておくのはもったいないことです。あなたの技術を「資産」に変える具体的な方法を、一緒に見ていきましょう。